いきなりですが、我らが「信濃グランセローズ」の選手たちとは、恒例で年に2回、「食べ放題」のお店に行くことになっています。
ご理解いただけると思いますが、若い独立リーガーの食欲は想像を絶します。
「よーい、スタート!!」とばかりに食べ放題が始まると、まずは肉の入ったトレイに列ができます。
このお店は食材トレイから肉や野菜をはじめ豊富な種類の食べ物をセルフで自席に運んで食べるスタイル。
人気はやはり焼肉です。運んできたお肉を焼いては食べ、焼いては食べ、本当に噛んで食べているのか疑わしくなるほどの勢い。
私には飲み込んでいるようにしか見えません。
で、毎回決まって異変が起きるのは、食べ放題が始まって30分程たった頃。この時間帯になるとトレイに追加されるお肉がカチカチの状態で出てくるようになるのです。
そうです。
尋常ではない選手の胃袋に、お店がお客さんにお出しできる状態で用意してあるお肉では間に合わなくなり、冷凍状態のお肉をスライスしてそのまま出さざるを得ないんですね。
ふと店員さんの顔を見ると、明らかに顔色が変わっているのがわかります。
「間に合わねーって!」「どんだけ食うんだよ!」という心の声が、表情から伝わってきます。
私も、お店が気の毒になって、心の中で「ごめんね」とつぶやきます。
そういえば、約40年前、私が所属していた大学野球部合宿所の近くに、「1,000円食べ放題」のお店がオープンしました。
「これは最高!!」とばかりに、野球部の仲間たちと通い詰めました。
たしかその時も、凍ったお肉が出てきた記憶があります。
そして、そのお店は1年足らずで閉店してしまいました。
もしかしたら、我々が通い過ぎたせいだったかもしれません。
グランセローズ選手の場合は、年に2回のことです。
もちろん、お肉が凍っていても構いません。
どうか目をつむってやってください。
食べ放題の現場からは以上です。