いきなりですが、東京の八丁堀に、かれこれ10年以上定宿にさせてもらっているホテルがあります。
過日の東京出張では、かつて頻繁に利用していたこの定宿を久しぶりに予約しました。
見慣れた自動ドアをくぐると、これまた見慣れたフロント担当の人が出迎えてくれました。この人とは、目が合えば「あっ」「あっ」って感じでお互いを認識している間柄です。
私「それにしてもさー」
この人「はい」
私「何を言いたいかわかる?」
この人「わかっちゃいます」
私「6倍だよね?」
この人「はい、6倍です」
この会話で、すでにお気づきかと思いますが、5年前は5,500円/泊で泊まっていたこのホテルが、今や高い日には30,000円/泊近くの値段になっているのです。
ですから気軽に泊まることはできず、ここ3年ほどになるかと思いますが、東京駅発22:08の長野行き最終の新幹線で帰ることが格段に増えました。
なので、この日は久しぶりにこのフロントの人と会ったのですが、チェックアウト時に出してくれた明細書を見ながら、お互いに笑ってしまいました。
この人「すみません」「笑ってる場合じゃないですよね?」
私「あなたのせいじゃないよ」
私「ただ、6倍でも、部屋は何も変わってなかったよ」
この人「失礼しました」
と、また2人で笑ってしまいました。
笑えない話ですが、笑うしかありませんよね。
これが名付けて「6倍の微笑」です。
失礼しました。
以上です。