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宿題も無し、塾も無し 2021.8.31

 いきなりですが、中国政府は7月下旬、小中学生の宿題と学習塾についての規制を発表しました。
 あの科挙制度発祥の国中国で、この規制が出されたことにはとても驚きました。
 内容を以下に要約すると、

  • 小学生の場合、2年生までは書き取とりや計算などの宿題禁止。
  • 3年生以上宿題も1時間以内に終わるものにする。
  • 中学生も1時間半以内に終おわる宿題にする。
  • その分家のお手伝いやスポーツ、読書などをさせるよう促す。

 また、学習塾への規制は、

  • 新しく塾を作つくることは認めない。
  • 既存の学習塾は、週末や夏休み、冬休みの授業を禁止。
  • 既存の学習塾は非営利団体でないと存続を認めない。

 流石は中国ですね。宿題はまだしも、中国とは言えいちおう民間企業である学習塾にこんな出鱈目な規制をしたら、普通はとんでも無い話しになってますよね。

 では、これほど極端な規制をする理由とは?
 それは、中国では近年、一家庭において教育に関する出費が異常な状態にあるようで、その背景には、人口調整の為に一人っ子政策を続けた結果、一人だけの子供にならいくらお金を使ってもいいから良い大学に入れようとするのが当たり前だという風潮になってしまったからで、例えば、有名小学校の学区にあるマンションは、相場の数倍もの価格になることも稀ではなく、学習塾の費用も、高校生になると1年間に約500万円も使う家庭まであるそうです。

 そうなると、いくら一人っ子政策を撤廃しても2人目や3人目の子どもを産む人が増えず、ここに来て中国でも少子化が深刻化している中で、家庭での教育費を下げさせて少子化かから脱出を図ろうと言う意図があるようです。

 ただ、いくら学習塾の規制をしても、こっそり家庭教師を頼む人が増えて、そうなれば余計にお金も掛かるし、結局は裕福な家庭の子どもが今よりも有利になる気がしますよね。

 また、昔、同じく受験戦争の激しい韓国でも、学習塾と家庭教師に厳しい規制をかけたことがあったそうですが、狙い通りの効果は出ず、規制は緩和されました。

 実は、この記事はうちの長女が毎朝取っている、とある新聞社が発行している子供新聞に掲載されていました。長女がいつになく新聞を真剣に読んでいるので、気になってのぞき込むと、この記事が・・・。「私、中国に行きたい!」とか言い出すかと思いきや、なにごとも無かったように新聞をとじました。

 「ふっ。」

 以上です。

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