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ご都合主義 2021.11.22

 いきなりですが、コロナ禍によってこれまで話題になっていたものが、いつのまにか消えてしまっていることが本当に多くなっている気がします。

 その一つに「民泊」があります。

 好調なインバウンドの受け入れと東京オリンピック・パラリンピックの宿泊需要に対応するために、2018年6月15日に民泊新法が施行されてから3年が経過します。以前は毎日のように「民泊」がニュースになっていましたが、コロナ禍から2年で、「民泊」の「み」の字も聞かなくなってしまいました。

 実は、直接仕事に携わったわけではありませんが、私の回りでも2年前に早期退職をし、立地の良い自分の実家を民泊用の宿泊施設に改修した友人がいます。その彼からこのほど連絡があり、「民泊施設の継続を断念する。」と報告がありました。コロナ禍の持続化補助金だけではこの需要の冷え込みに対応することが出来なかったのです。彼は、この「民泊」の事業に退職金もつぎ込みました。

 調べて見ると、2020年4月には2万1385件となった民泊事業者は今年6月7日時点では1万8883件まで減少しています。
 また、事業廃止件数は、2019年12月に累計2471件だったのが、2020年に入ると5670件に増加。今年6月の累計件数は1万227件に達しています。
 そうです。民泊需要を牽引してきたインバウンドがコロナ禍で急減し民泊事業の撤退が相次いでいるのです。

 インバウンドとオリンピック・パラリンピックで宿泊施設が不足するからと、個人の住宅等を規制緩和し宿泊施設に充当するなど、国によるご都合主義の政策の顛末です。もちろんこのような話は「民泊」だけでは無いでしょう。

 とても憤りを感じています。

 先の友人に、民泊事業を相談された当時、先のことを考えると「民泊」の勢いが続くとは考え難かったので、私は反対しました。
 でも、先日友人が私に廃業の話をしてきた時、「それ見たことか!!」なんてとても言えませんでした。

 彼は一言、「お前の言うことを聞いていればよかった。」と。

 残念です。

 以上です。

 

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