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野村克也さんを偲ぶ 2020.2.12

 野村克也さんが急逝されました。

 戦後初の3冠王、生涯本塁打や打点の記録はもちろんですが、指揮官としても知略・戦略家としても有名な野村さん。

 かなり前に、このブログでも紹介させて貰いましたが、世界で最初に、日本で言うところの「クイックモーション」、野球発祥のアメリカだと「スライドステップ」を考案したのは、野村克也さんだと言われています。

 野村さんが現在の福岡ソフトバンクホークスの前身、南海ホークスで監督兼選手時代、「シンキングベースボール」で有名なブレイザーヘッドコーチと、当時「世界の盗塁王」と呼ばれた阪急ブレーブスの福本豊さんの足を封じるために、考案した作戦として有名です。

 その他、野村さんと言えば、

 ささやき戦術

 再生工場

 ID野球(Import Data)

 これらが野村さんの代名詞ともなっていますね。

 でも皆さん、私としては近代野球を変えたとまで思っている、野村さん考案の作戦が、もう一つあるのをご存知ですか?

 野球をしている人なら、「ゴロ、ゴー!」と言ったら理解してもらえると思いますが、要するに、ピッチャーが投げると同時に、または投球がバットに当ると同時にランナーがスタート切ると言う作戦。特に、何の作戦を取らずしても、得点のチャンスのある3塁ランナーを、打者の小フライやライナーでゲッツーになるリスクを敢えて冒してでも、この1点を取りに行くと言う作戦なのですが、野村さんが名付けて「ギャンブルスタート」としました。

 「ギャンブルスタート」は、1992年、野村さんがヤクルトスワローズの監督時代、西武ライオンズとの日本シリーズ、3勝3敗で迎えた第7戦の7回1死満塁の場面、バッターの二塁ゴロでスタートを切った3塁ランナーの広澤克実先輩が本塁で憤死。結果として3勝4敗で日本一を逃したことを教訓にライナーゲッツーOKのギャンブルスタートを考案したと言われています。セーフティースクイズもこの発展形なのですが、今ではプロ、アマ問わず、相手投手の出来や試合展開で、どうしても1点が欲しい究極の場面で、この作戦を採用するケースが見られるようになりました。指揮官が展開の中で究極の作戦として選択する、「ギャンブルスタート」は、成功するか否かで、その後の試合展開が天と地ほど変わって来ますから、結果、責められもしますし、称えられもする。そういう意味では、保守的な作戦が主流の中、「賭ける作戦」として、近代野球を面白くしてくれたと、私は思っています。野球界にはたくさんのレジェンドがおられますが、このような側面を合わせ持つレジェンドは野村さんをおいて見つかりません。

 今から15年ほど前でしょうか。松本市のあるホテルで、私の大学野球部の大先輩と一緒に食事をさせて貰いました。

 後にも先にも、野村さんにお会いさせて頂いたのは、この時の一度だけ。緊張する中、野村さんから最初に頂いた言葉が、「星野の後輩かー。」と。私も「はい、ただ克則君の先輩でもあります。」言ったら、優しく笑って頂きました。

 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 合掌

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